初心者向け格安ギターとバンドメンバー募集のグローバルサウンド新宿
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バンドメンバーを募集する バンドのライブチラシ作成 音楽コラム

本音を語る詞がイノチ

僕たちにとって、その主旨は当然気になるものだ。
僕はロックミュージックを仕事にしているから、アイドルのオーディションに行っても、ただ女の子のルックスに見とれるだけ。
それをビジネスにしようなどと考えつくわけがないし、ましてや、よほどヒマでもないかぎりそこに出向くことはない。
だが、ひとくちにロックといっても、ホップなもの、パンクなもの、男、女、弾き語りから大編成、そして個人的な自宅録音までさまざまだ。
僕たちの限られた人数と能力のなかでは、次の新人アーティストを探すターゲットをしぼらざるをえない。
まず気にするのは、その形態だ。四年ほど前まで、僕が一緒に仕事をしていたアーティストは、バンドと男性ヴォーカルばかりだった。
似たような音楽を作るアーティスト同士のぶつかり、新しい仕事への興味、そんな理由で、
スタッフみんなで女性アーティストを探そうということになったのを覚えている。
みんなで手分けしてその種のオーディションを回ったり、プロダクションに行って今後の進め方を相談したものだった。
そうやって、それまでは、なぜか全く縁のなかった種類のアーティストとの出会いが増えていった。
その結果、僕たちの仕事として、この三年間に四組の女性アーティストがデビューを果たした。
もちろん、僕もそのおかげで新しいノウハウを得ることができたし、何よりも、新しい人間関係を作ることができた。
男くさいロック専門、いや、それしか能がない、と思われていた僕にも、やっと、色っぽい仕事が回ってきたような気がする。
ところが、あらためて今の僕のまわりを見てみると、バンドの解散と、時代の流れなんだろうか、
四年前とは逆に、バンドと男性シンガーが本当に少なくなってしまっているではないか。
というわけで、ここ最近、僕たちスタッフは必死に「バンドやら男の子やらを探しまくっている毎日なのである。
さて、アーティストの形が決まったら、次に考えるのは時代的な新鮮さである。
一九九〇年前後に、テレビでは「イカ天」が熱狂的な支持を集め、また、原宿の歩行者天国を中心に、
ストリートライブが「ホコ天」と言われて脚光を浴びた。勢いのいい、
シンプルなエイトビートに乗せて、数多くの「ビートバンド」がデビューしていった。
テレビや街頭で盛り上がりやすい、ワンパターンの音楽が氾濫していったのである。
デビュー直後に、あの武道館でワンマンコンサートを成功させたバンドがいたことでも、その狂乱ぶりは想像してもらえるだろう。
それから三年後、ほとんどは解散した。ファーストーアルバムのビッグセールスのあと、
彼らを支えるファンは次の新しい音楽に向かってどこかへ去っていった。
生き残ったごく一部のバンドたちは、悪戦苦闘しながらも、より新しい自分たちの音楽を作りだすことに成功したものばかりだ。
一九九二年ごろには、各地でレゲエコンサートが大盛況だった。
夏になると、数万人を集めての野外コンサートが開かれ、
続々と来日する外国レゲエアーティストに交じって、日本人のレゲエバンドも活躍していた。
そして今、同じようにゆったりと乗れる音楽だということで、テクノミュージックがレゲエに替わったようである。
同じ主催者が、レゲエに見切りをつけて、テクノコンサートを開いている状況だ。
こんな例をひっぱりだしたあとで、現在のロックシーンをふり返ってみると、
先にも言ったが、ジャンルは関係なくなっている。楽曲である。メロディである。歌詞である。歌である。
特に、歌詞の内容が、時代を反映しているか、本音の気持ちをあらわしているか。僕が気になる時代性とはこれであるのだよ。
映画「スター・ウォーズ」が初めて上映されて以来、二十年の歳月を経て、今また「特別編」として再上映された。
当時も、最先端のSFX技術を駆使した映画として人気を集めたが、
今回はさらに、新技術のCGで新たに生まれ変わっての再登場である。
監督、あるいはプロデューサーとしてのジョージールーカスが、いかに時代に敏感であるかを実証しているのではないだろうか。
僕はスタッフだから、口だけで簡単に能書きを言えるという楽な立場だが、アーティストは大変だ。
今流行しているものを作品に取り入れるのは簡単なことだが、
それが世の中に出るころには、もはやダサイものに成り下がっているだろう。
かといって、突拍子もなくアヴァンギャルドなものを出しても、誰もふり向いてはくれない。
身近に見えるけれど、どこにもない新しい匂いがするもの。みんなと一緒に歩いているわけにはいかない、
でも、一歩先を歩くと見失われてしまう。だから、半歩先を歩いていてほしい。
二十年以上もトップアーティストでありつづける人たちは、これができているんだ。努力をしている。勉強をしている。
いつのまにか、きっちりと音楽理論を学んでいたり、すばらしいアレンジができるようになっていることもある。
そんな人と仕事をしていて、本当に驚いてしまうのは、ごく自然に、いろんな物事に興味を持っているということ。
新しい音楽を作りだしたい、というエネルギーが、自然に好奇心になって、貪欲に吸収してしまうんだろうか。
だから、二十年もの長い間、一緒に仕事をしていても、いつも、スリルと刺激がいっぱいなんだ。
彼らが何かの拍子に話題にするレコードは、僕も必ず聴くようにしている。
そうしないと、置いてきぼりにされるような不安感に襲われる。
こうやって、ビッグアーティストからは、いつも刺激と影響を受けている。
次の機会には、何かの形で僕が彼らに刺激を与えてやろう、とねらっているのだが、彼らはいつも、僕の半歩先を走り続けている。